「気の抜けた字を書くよね」と言われ、楽しく書くという気持ちが薄れていた筆者。仕事柄毎日書かなくてはいけない連絡帳を少しでも楽しい気持ちで書きたい!という思いで見つけたのが万年筆でした。

使えば使うほど、自分好みになっていく万年筆。正直、どのメーカーがいいかは他人に決められるものではありません・・・(-_-;)
しかし、5年間ほぼ毎日使ってきて、それぞれのペンの良さや使いづらさはわかってきたので、紹介していきます。

書き方やどんな時に使うか、デザインを重視するのか、機能を重視するのかは人それぞれ。
自分がどんな時に万年筆を使いたいのかをイメージして読んでみてね。
SAILOR(セーラー)
1911年に広島県の呉市で初めて国産の万年筆を製造した老舗のメーカー。
公式HPはこちら→SAILORセーラー万年筆公式HP
特にペン先をこだわって作られており、世界で唯一「21金」のペン先を作っています。

「金」はインクの腐食に強く、弾力性に富んだ金属なので、万年筆独特の柔らかなタッチを楽しむのに最適なのだそうよ。
また、ペン先の研ぎ方にもこだわりがあり、細字や太字などのほかに「長刀ふでDEまんねん」といったペンを立てて書くときと寝かせて書く時とで太さが変わるペン先もあります。
価格は、お手頃な千円台のものから数十万円のものまで幅広く、老舗メーカーだけあって種類も豊富です。左利き(レフティ)向けの万年筆もあります!
インクの種類
そして万年筆の醍醐味といってもよいインク。セーラーのインクは何といっても物語性があって夢が広がる!
「大正ロマン」や「アフタヌーンティー」なんて名前からどんな色か想像するのも楽しくなるようなインクから、「時雨」や「金木犀」といった日本の四季を感じさせるインクと使ってみたくなること間違いなしです。
さらに時間の経過や書く紙によって色彩が変わる「ゆらめくインク」や、混色で自分好みの色を作ることができるインクまであるのです。
筆者が購入した万年筆
セーラーの万年筆は2本購入しました。
SHIKIORI―四季織―シリーズの[雪月空葉(せつげつそらは)]カラー:春空

生まれて初めての万年筆。私は、手帳に書き込むことが多かったので小さい文字を書けるように「極細」のペン先にしました。
ペン先が細いせいか、紙質によっては少し引っかかることも。小さい字もしっかり書くことができるので、その点では満足。私が普段使うノートでは、ほぼ引っかかることはなく、するすると書くことができトメ、ハネ、ハライもしなやかに書くことができます。
この万年筆、値段が1万円越えと筆記用具としては高価な部類。その理由は、ペン先がステンレスではなく、14金であるということ。値段の価値はほぼペン先にあるということですね。ボディのきれいな「春空」カラーはとてもきれいな色ですが、少し色ムラのある樹脂製。個人的にはもう少し重厚感が欲しい気もしました。
とはいえ、書きやすさや万年筆のおしゃれな外観、ペン先のデザインのすべてがお気に入りの一本です。
プロフィット ふでDEまんねん

万年筆の魅力にハマり、2本目に購入したのがこちら。
仕事柄筆ペンを使う機会があり、筆ペンのように太さが変えられるという面白さに惹かれて購入。こちらは、ペン先がステンレス製でお手頃な値段でした。
特に習字を習っていたわけではない筆者には、使いこなし切れてはいませんがこの万年筆で書くだけで、味がでる気がして気に入っています。
使ってみて
インクについて
セーラーのインクは主に「水性染料」と「超微粒子顔料」の2種類。
水性染料の方がカラーの種類が豊富ですが、水に弱く、濡れるとあっという間ににじんでしまいます。
超微粒子顔料は主なカラーは黒と青みがかった黒。最近では、水性顔料の混色できるインクも発売していました。
万年筆はインクが乾くのをしっかり待つ必要があります。(染料、顔料ともに)乾く前に手でこすってしまったり、ページを閉じてしまったりしないように注意です。
手入れについて
インクの補充は、ねじ式コンバーターを使用しています。少しインクで手が汚れますが、それほど困らずにインクの補充ができました。インクが少なくなってきたときには「ボトルインクリザーバー 50ml角瓶用」が便利ですよ!!(詳しくは下のパイロットの手入れについて)
定期的に、またインクの色を変えるときにペン先の洗浄が必要です。筆者は色を変えることがほとんどないので少しサボりがちですが、洗浄も水につけておくだけなのでそれほど手間はかかりません。
キャップについて
このあと出てくるパイロットの万年筆との大きな違いなのですが、セーラーの万年筆は2本ともねじる式のキャップでした。そのため、ペン先が筆箱の中でむき出しになる、といったハプニングはないのですが、教員時代に連絡帳を書くときに使っていた筆者は、書いている最中に中断して子どもの指導に駆け出すことが多く、ペン先を素早くしまうことができないことに不便さを感じました。
ただ、ペン先の保護という意味では、ねじる式は正解でしょうし、家で落ち着いて文字を書くときにはむしろ気持ちを集中させることができたように思います。
PILOT(パイロット)
1916年に日本発、純国産金ペンを開発したことから始まる、日本で有名な文房具メーカー。今や、どこの文房具店でもパイロットの商品を取り扱わない店はありませんよね。
公式HPはこちら→PILOT パイロット公式HP
パイロットの万年筆もセーラー同様書きやすさやペン先へのこだわりが詰まっていますが、ノック式万年筆「キャップレス・デシモ」や持ち手が三角形になっており小中学生向けな「カクモ」など従来のデザインにとらわれない万年筆が多数取り揃えられています。
価格はこちらも千円台から十万近いものまでさまざま。
インクの種類
パイロットにはベーシックに黒、赤、青などのカラーリングの他に「色彩雫」という染料のインクを扱っています。
色彩雫は日本の美しい情景をテーマとしており、「深海」や「山葡萄」など情緒豊かなネーミングのインクがたくさん。また、ボトルが楕円形でおしゃれです。

日本パッケージデザイン大賞やグッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞したんだって!
筆者が購入した万年筆
ライティブ

先ほど述べた、ねじる式のキャップが仕事上で不便になり購入。太さはM(ミディアム)にしました。太めなこともあり、紙に引っかかることもなく滑らかな書き心地。
インクのノリが良く、ほとんど力を入れずに文字を書くことができます。
商品名は「LIGHT(軽い)」と「ACTIVE(活動的)」を合わせた造語だそうで、その名の通り本当に軽いのです。セーラーの四季織の万年筆より長さがありますが、重さはパイロットの方が軽かったです。筆者的には、もう少し重さがあって書いてる感がある方が好みかもなんて思ったりしましたが。
使ってみて
インクについて
パイロットさんには申し訳ないのですが、セーラーで買ったインクを使っています。というのもテンション上がりまくってたくさん購入した結果なかなかインクが使い終わらず・・・
本当は、万年筆とインクは同じメーカーのものを使うことを推奨されますが、今のところインクが詰まることもなく問題なく使えています。いつか色の比較などもしてみたいものです。
手入れについて
インクの補充はプッシュ式コンバーターを使っています。インクの注入量が多くてこちらにしたのですが、なかなかくせ者でした・・・
インクボトルにしっかりペン先を浸せていないとすぐに空気を吸ってしまいインクが入らず、何度手をインクで汚したか。また、インクが入るようになってからも、逆にインクを吸いすぎたのかプッシュボタンからインクがにじんだり・・・
セーラーの50mlのインクボトルを使っていて残量が少なくなってきていたのも原因のようでした。
ボトルインクリザーバー 50ml角瓶用
これを買って解決!!!これ、50mlの便にしか使えないのですが、リザーバーを入れることでボトルの底に浅く残ってしまったインクをペン先の形に集めてくれるのです。おかげで、ペン先全体にインクを浸すことができ無事に補充できました。
キャップについて
セーラーで延べたねじる式のキャップではなく、はめ込みタイプのキャップです。カチッと押し込むだけでしまえるので書くことを中断することへのストレスが減りました。キャップの開閉の感覚も心地よいです。
まとめ
どちらも古くから創業している老舗メーカーというだけあって甲乙つけがたいこだわりの万年筆を作っています。筆者はメモを取ったり普段使いにパイロット、手紙を書いたり丁寧に書きたいときにセーラーの万年筆を使っています。
普段使いにしたいのか、書くことを楽しみたいのか、長く大切にしたい相棒を選ぶのか、目的に合わせて納得のいく万年筆を探してみてください。
余談ですが、Amazonと楽天に公式のショップを見つけられませんでした。セーラー万年筆はオンラインショップがありますので、高価な万年筆を購入する場合は、公式ショップを利用するのがおすすめです。
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